雑記帳

チラ裏なつぶやき。鬱々しい。

触覚優位といっていいのかどうかわからないけどなんか不思議な感性

今日、8歳になる娘にデカルト平面について教えた。

全宇宙の秩序という化け物じみた概念を、8年かかって幾何の基礎までダウンサイジングできたことが感慨深い。

この子が天才かどうかは知らないが少なくともかなりの触覚優位(と私が定義付けているなにか)であることは確からしい。

 

2歳の頃は、哲学の話ばかりして聞かせていた。

まだ二語文しかしゃべれないくせに彼女は、生とは、死とは、意識とは、なぜ自我が存在するのか、我々がこの世に在る意味という幻想について聞きたがった。何時間もずっと語らされた。傍から見たら赤子に向かって哲学を語り続ける母親はちょっと怖かっただろうと思うが、話して聞かせないと納得しないんだもの。存在について考え続けた彼女は己の裡に全存在に対する深い愛を見出して納得しやっと哲学ブームが終わりを告げた。

 

幼稚園に入ってからは、学問という体系について教えた。

「みんなで育てたあさがおの絵をかきましょう」という課題を前に固まる娘に、まず分子生物学を話し発生と遺伝子の存在を教え、それから古典進化論について、ビーグル号に乗ったダーウィンの生い立ちについて語った。生物の形態を分類するだけでどれだけのことが示唆されるか、そして西洋学問の柱の一つは分類学であることを教え、やっと「みんなで育てたあさがおの絵」が出来上がる。

マラソン大会を嫌がる娘に戦後荒廃した文化を根性論で再構築した経緯について教え(ついでに近代戦争がなぜ起こるかや貨幣の仕組みと穀物と通貨がヒトの意識をどう変革させ進化させたかを教え)セキツイ動物の発生から背骨を持った生き物にとって運動がどのような意味を持つのかを語り(ついでに進化論を教え)ヒトの歩行システムを教え、やっと参加させる。

いつまでたってもひらがなを覚えないから、今度は東洋哲学の成り立ちを教え甲骨文から篆書金文と、削る文字から筆の文字に変遷する過程とそれに伴う思考形態の変遷を教え、どのようにひらがなに到達したかを理解させてやっと五十音が読めるようになる。

初めての海外旅行を前に不安がる娘に地球儀を与え地動説を教え時差がなぜ起こるか気候がなぜ変わるか、そして気候によって人の精神がどのように構築されるか教え、フォニックスを教えソシュールを教え、やっと飛行機に乗れる。

かんしゃくを起こした娘に、科学館に連れて行ってやる、生物の発生について、地球の起源について教えてやるとなだめる親は英才教育に必死になっているように見えただろうか。でもそうしないと泣き止まないんだもん。私だって脳に餡が詰まったヒーローの話とかしてみたかったよ。

 

 

そして今やっと大学高校レベルの物理や数学の話ができるようになった。

もぉね、すげぇ楽。教え方だって確立されてるし、参考書も豊富だから勝手に自習してくれるし。

 

でも、娘は決していい成績ではない。むしろ中の下レベル。

y(x,t)=Asin2π(tT–xλ)

みたいなのは分かるんだけど、算数も国語も存在意義が分からないらしく点数が取れないっていうね。そもそも競争に意義を見出していないからいい点を取る意味も分かってないし。

 

それに、教わる態度も最悪だ。

いつもよそ見して聞いてないし、難しい話をするとすぐ眠くなってあくびする。

よそ見して聞かないのは簡単すぎて結論がみえちゃってすぐ飽きるからだし、難しい話で眠くなるのは無意識にアクセスしているからで一眠りすると教えた範囲をはるかに超えて理解してるんだけど、傍から見ればただの馬鹿にしか見えてないと思う。

 

たぶんIQも低い。

IQの存在意義をまだ教えてないし。それに彼女はペーパーテストで画一的に測れるタイプの能力だけを評価する知能検査で良い成績をとることに意義を見出さないだろう。

彼女は常に己の求めるところによって生きて、他者の評価を求めない。誰かより優れているなんてつまんない自尊より世界の秩序に触れる充足を求める。だから彼女は平気で穴の開いた服で学校に行く。実際それでいじめられたりもするらしいのに、「いじめるのはいじめる側のつらさをぶつけているだけなんだよ」と諭されてしまった。なんなのこの子。

 

細部から理解を進める自閉系の能力の場合、山手線の駅の名前を全て言えるとか電車に詳しいとか円周率を暗記してるとか、学習初期からある程度周りに評価される結果を出せることが多い。おそらく現状でサバンとかギフテッドとして見出されるケースは自閉系がほとんどだろう。

でも、複雑なものを複雑なまま丸呑みする知識の形態はどうがんばっても大学レベルからしか成果が発揮できないからすごく困る。