うちの子がほんと人の気持ちを逆なでにすることばっかりしてなにこいつ発達障害かよてことでWISC受けさせたらただの高IQで、じゃあ障害とかじゃなくてサイコパスかよやべーwwてなってたんだけど、たぶんこれ逆転移という人類の基本機能の一部がインストールされてないだけじゃね、ということに気づいたメモ。
うちの子は先生や親に怒られるときの態度が超最悪。
ごめんなさいが素直に言えないし、そもそも怒られてるのによそ見してへらへらしてたり、話を聞く態度が火に油を注ぐ。どんなに怖い顔をしても大声を出しても怒っているということが伝わらない。
これってあれだよね、発達の教科書で見たやつ!
表情で感情を伝えるというノンバーバルコミュニケーション能力が使えない発達障害の一例のやつ。トーマスの顔みたいなフェイススケールで表情と感情の関連を勉強するんでしょ知ってる!
て、思ったんだけど、どうもうちの子の場合ちょっとそれとは違うっぽかった。
おそらく一般的に想定されている発達障害というのは感覚の異常と知能の異常に大別されて、発達障害における知能の異常とはミラーニューロンが発達してない的な、自分以外の視点が存在することを想定できない障害のことを指すのだと思う。
でもうちの子、他人の視点はめっちゃ理解してる。3歳時点でお気に入りの人形について他人に聞かれたとき「私の人形」と答えるレベル。普通だったら「私の友達のメルちゃん」とかになるじゃん。そこで「これは私の友達のメルちゃんだけど他人から見たら一般の人形と同様に見えるのだ」とナチュラルに理解してしまうほど客観視してる。
なんか、普通にノンバーバルコミュニケーションはできてるし空気も読めてて相手が怒ってるってことは理解してるっぽい。どうにか怒りを静めたいという気持ちもあるっぽい。えーー?じゃあなんであんな火に油を注ぐ態度とっちゃうの。普通にごめんなさいすればいいじゃん、と思って数年疑問だったんだけど、どうやらうちの子は怒るという感情がいまいちよく分かってなかったらしい。
彼女は基本怒るということがなくて、だから他人が怒っていてもそれがどういう状況か分からないし何をしていいのかもわからなくて、ごめんなさいを言えば丸く収まるということも理解できなかったっぽい。
「怒る」と「叱る」と「駄々をこねる」の三つはぜんぜん違う。
- 「駄々をこねる」は自分の感情を制御できなくて泣いたり暴れたりしてしまうこと。
- 「叱る」は相手との関係改善を目指して話し合うこと。
- 「怒る」は制御できない自分の感情を他人のせいにすること。いわゆる逆転移。
彼女は「叱る」と「駄々をこねる」は理解していたけど「怒る」がわからなかったらしい。彼女にとって自分の感情はあくまで自分の感情で、制御できなくて大泣きしたり癇癪を起こしたりはするけど、それはあくまで自分の責任であって他人のせいではない。
たとえば、お菓子がほしいのに買ってもらえなくて大泣きしたとする。
それはお菓子を買ってもらえなくて悲しいという気持ちをうまく制御できない自分自身の問題であって、大泣きすることで親をコントロールするための行動ではない。なので彼女は泣いた後「迷惑かけてごめんなさい」と謝りにくる。泣いたことを親に謝る子供ってどんなだよむしろ親が悪者みたいじゃんと思うけど彼女の中ではそれで筋が通っているらしい。
そして泣いたことを謝った後、どうしてお菓子がほしいのか、どうしてお菓子を買ってはいけないのかという話し合いを経て両者の合意点を見つける、というのが彼女にとってデフォルトの流れ。
彼女にとって感情というのは自分自身で尊重するものであってそれを理由に他者を動かすものという発想はない。
でも普通さぁ、「お菓子を買ってくれないママが悪い」になるじゃん。
そんで泣くのだって「泣くことでおかしをかってもらおう」という目論見が入るじゃん。人間は社会性の動物だから、感情を発散させることが他者をコントロールすることにナチュラルに繋がるじゃん。
怒るのも同様に、怒って大声を出すことで言うことを聞かせようという目論見じゃん。だから怒っている人には理屈なんか通じなくてとりあえずうわべだけでも従順にしておけば満足するんだよ、ということをどうにも彼女は理解できないらしい。
ああぁぁ、めっちゃデジャヴュ!既視感が半端ねぇ!!
そうだね私もそうだったよ…自分の感情を他人に逆転移するというのは私たちにとって、とても難易度の高いルールなんだよ……
だけどそれ知らないと暴力に巻き込まれたり下手すると殺されちゃったりする可能性もあるからね…
とりあえず
- 多くの人は非理論的に行動する
- 非理論的な人に理論は通用しない
- 彼らは動物のように扱うと満足する
という人付き合い三原則を教えたらめっちゃ人当たりよくなった。よかった。