前回、極端な思想を持った人に必要なのは論破ではなくヨシヨシであるみたいなことを書いたのだけど、じゃあヨシヨシしてみようかいと思うとすごいハードル高くて引いた。
「宇宙人が私を監視している」であれば「そうなんだ宇宙人に狙われたら大変そうだね」と100%真心で返事するのはそんなに難しくありません。いや、見下すでもなだめるでもなくただフラットに話を聞くというのは実はかなり難しいスキルでできる人はほとんどいないけど、少なくとも私にとってはそんなに大変なことではない。でも毎日そういうことしてたら病みそうなので、プロの人はほんとにすごいと思います。
「私が不幸なのは山田(仮)のせいだ」であっても「そうか山田(仮)はそんなに悪いやつなのか」と返事できます。
ですがこの場合、山田(仮)が私の知り合いだと一気に難易度が上がります。山田(仮)を知らない状態での「そうか山田(仮)はそんなに悪いやつなのか」は「私は実際の山田を知らないけど、あなたから見た山田(仮)がそういう人だということは了承しました」という意味になる。でも山田(仮)の人となりを私が知ったうえでの「そうか山田(仮)はそんなに悪いやつなのか」は「山田(仮)は悪い奴だよなわかる。」になってしまって、私は山田(仮)の悪口を言ったことになってしまう。
共有する情報が多い間柄では「あなたの意見を尊重します」がそのまま「あなたの意見に同意します」に聞こえてしまってややこしくなる。
だから身内のケアは難しくて、プロでも自分の身内は基本診ないし診れない。
同様に「某国の人はいろいろダメ」みたいなヘイトに対して「そうか某国の人はそんなにダメなのね」と返事することは私が某国を侮辱することになってしまう。ログの残らない会話ならまだしもツイッターやFBでそんなこととても発信できない。
それに彼らは具体的なターゲットが具体的にどうにかなることを望んでいる。某国を憎んでいる人にとってのゴールは某国が消滅することだし、キモくて金のないオッサンのゴールは若くて美人な女を奴隷にすることだし、そんなんできるわけない。
そう考えると、宇宙人が狙ってくるとか謎のエージェントが毒電波を流すとか言ってる人って結構軽症なんじゃね?
フェミとかアンチフェミとかウヨとかサヨとかの実在する存在を敵視する人たちのほうがよほど重症だ。ていうかむしろ自分の問題を解決したくないからこそ絶対解決できないように実在する存在にヘイトを向けているのだろう。
あー、振り出しにもどっちゃった。。。
どうすればいいのこれ。