雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

増田さんへ。自分の気持ちを書いてくれてありがとう

たぶん私の記事にも反応しての増田なのかなと思うので返事を書いておく。

 

朝忙しい時間に書いたので、いろいろ追記しました。追記は下線。

追記の要約としては

「増田のどこが女に癒してほしいなのか、人間扱いしてほしいだけ」

そういうとこだぞ。ということです。 

 

anond.hatelabo.jp

まず、増田さんの傷つきは間違っていないし、女性も同様に加害者であり意識改革が必要というのもその通りで、それは自己責任として耐えるのではなく構造を変えるべき問題です。増田さんは悪くないし、増田さんがこれ以上傷つかないですむ社会を目指すことは可能です。

信じられないかもしれませんが、私と増田さんは同じことを言っています。

男性の容姿や仕事などは揶揄していいという風潮は根強くあって、女性がセクハラに傷つくのと同様に男性も傷つきます。強くあれという男性ジェンダーゆえの苦悩もあるのだろうと思います。

10代の頃に顔に皮膚病患って、女子からキモイキモイの大合唱くらって、嘘告白で物笑いにされた。

耐えかねて担任の女教諭に告発したら、男のくせに情けないと言われて女子たちには何も咎めがなかった。

 

これらは増田さんのせいではなく、増田さんを揶揄した人のせいですし、それを訴えても聞いてくれなかった教師のせいですし、彼らがジェンダー規範に基づいて差別行為をしたのであればジェンダー、つまり男性も女性も含めた社会の構成員の問題です。私はこの話に出てくる女子や女教諭を擁護などしません。決して「男同士で苦しめあってるだけで女は何も悪くないし意識を改める必要なんてない」なんてことはありません。個としての女性も、集団としても女性も男性と同様に間違うこともあれば残虐なこともあり、それは正すべきことです。

 

で、私が言いたいのは、要求するラインを間違えてはいけない、ということです。

被害者が加害者に要求できるのは「これ以上加害するな」という1点のみです。そのラインの範囲内において、個人に態度を改めるよう要求することも、社会に規範を変えることを訴えるのも、SNSで誰かを晒し上げにすることその他諸々も、正当性があります(もちろん過剰防衛には十分注意したうえで、ですが)。

万引き犯に要求できるのは「万引きするな、店に来るな」という点であって商品を買えだの上納金を貢げだの言うのは不当な要求です。

同様に、差別する人に対して要求できるのは「差別するな、関心を向けるな」であってチヤホヤしろとか受け入れろとかではない。

女性を殴る男性に要求できるのは「殴るな、近寄るな」であって殴りたくなるほど嫌いな女性を優しく包み込み受け入れ三食昼寝つきで養え、ではない。

男性を揶揄する女性に要求できるのは「揶揄するな、無関心でいろ」であって、経済力が無くても容姿が悪くても配偶者として選んでくれだとか優しくにこにこ話を聞いてくれだとか尊敬してくれだとかではない。加害者に対して要求できるのは路傍の石を眺めるような無関心だけであって、それ以上のケアは自分でするしかない。

だいたい、これまで嗤いながら殴ってきたようなやつに優しくしてほしいなんて冷静になってみたらおかしなことです。暴力を振るような奴は大嫌いなのが当然で、大嫌いな奴が尻尾を振って来たって不快なだけです。

 

女が自分より下と見た男や自分の眼鏡に適わない男はどんなに蔑んでも虐げても赦される、それで傷ついたらその男が弱いだけ、そもそも女に攻撃させる男が悪い、、、、

そんなこと言っていないから。少なくとも私は言ってない。 

私が言いたいのは、被害者である増田さんの傷つきを加害者であった女性に癒してもらおうとするなということです。 あるいは、男性ジェンダーの傷つきを解消するために女性ジェンダーの承認を必要とするなということです。

 

追記

増田さんは過去に誰かに加害されて、それが女性だった。で、男性の容姿は揶揄してよいという風潮がある限り増田さんはまた誰かに嗤われるかもしれない。その解決方法として

今の職場になんとか正社員として入社できて、人手不足も逆手に取って必死に結果出して役職もらえて、女の社員が声色変えて話しかけてくるようになったときようやく「女性と対等になれた」って思えたんだよ。

というところに、強烈な認知の歪みが発生していませんか。なぜ「声色変えて話しかけてくる」が「対等になれた」なんですか。なんで憎いはずの女性に話しかけられるのがゴールになってしまうんですか。私なら私を加害した人が私のスペックが上がったからといって「声色変えて話かけられて」こられたら殴ります。殴りました。許せない以上それが普通じゃありませんか。

加害者と被害者という関係性を抜け出す必要はないし、増田さんが女性全般を憎んでいるのなら許す必要はありません。ただし、その構造を温存する以上、お互い空気のように、石の裏のダンゴムシのように 無視しあうしかありません。出会ってしまったらまたそこで加害/被害が始まる。

 

増田さんが女性への憎しみや恨みを持ち続ける、また、加害者の人が増田さんの容姿をあげつらう心理を改めない以上、対等な人間扱い、つまり完全無視以外に解決方法はありません。

 

追記ここまで 

 

こっちは女に植え付けられた嫌な思いを振り切るために必死で働くしかなかったんだよ。

正直言って全然有能じゃないし、コミュ障だし会社務めに全然向いてない、仕事なんてちっとも楽しくないし辛いだけだと思ってる。

でも今の職場と地位を手放したらまた元通り、その恐怖で仕事にしがみついてる。

 この恐怖を解消するのは、女性が態度を変えるくらい自分のスペックを上げることではありません。

男性の容姿や能力をあげつらうのは当然のことという構造を内包したまま外見のスペックを上げて復讐しても、加齢や病気でスペックが下がったらまた同じことが発生します。ご自分でも自覚しているように、加害されない環境を手に入れても次はそれがいつ奪われるかと戦々恐々とする日々が手に入るだけです。

だから男性は(女性も)弱くていい、美しさや稼ぐことが人間の価値ではないと言い続けなければいけないのです。

手前味噌ですがわりと言い考えじゃないですかKKOハウス。私はKKOハウスから遠く離れた土地にKKBハウスを作ります。キモかろうが金がなかろうが人生は楽しくやれます。お互い嫌いな奴の存在なんか忘れて毎日楽しくバーベキューして暮らせばいい。それができないのであればセーフティネットが足りない社会が悪い。投票に行きましょう。精神的につらいのであれば社会規範が悪い。ネットで手斧を投げ合って自分自身と他人の認識を少しづつでも変えていきましょう。

 

たぶんそうやって社会は変わっていくのだと思う。