雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

頭がおかしくなったときにどんな支援をしてほしかったか思い出す

大変な状況では脳がオーバーヒートしてわけのわからない挙動をしだす、というのはこれはもう生物として当たり前な心理であって真心とが努力とかそういう次元でどうにかなるようなものではない、というのを知っておくと自分にも他人にも優しくなれると思う。

HPが10しかないのに「一旦ダメージを50食らう」なんて選択肢ない。HPが100ある人に「防御コマンド繰り返しててもジリ貧ですよ」「一旦ダメージを50食らって次のターンで攻撃しなきゃ勝てませんよ」とか言われたって、HP10の人は「そんなこと言われたって私には無理だよ……」と呟いて、防御コマンドを繰り返すしかない。

https://yashio.hatenablog.com/entry/20190207/1549467965

 わかる…!

じゃあどうしろって言うんだよ!とか言って怒り出したり暴れたりするやつ。人間の限界は案外身近に転がっている。

子供を怒鳴りつける親もネットで執拗に攻撃を繰り返す人も歴史を修正しようとする人も夏休みの宿題を後回しにする子供も、みんなみんな追い詰められている。

そこで必要なのは叱咤激励ではないはずなのに、世の中には叱咤激励だけが蔓延している。

 

 

 

判断力の落ちている人がそうした情報にさらされることが、この世界にとっていいことだなんてとても思えない。でも現実にはそれを止める手立てがない。
 「成年後見制度」というものがある。知的障害、精神障害認知症などで判断能力が不十分な人の、法的な権利(財産にまつわる意思決定する権利など)を制約することで、その人を保護する制度だ。人間のセーフモードみたい。

追い詰められて判断力が鈍ってしまった人に対して詐欺を働く人がいるから判断力が鈍った人を保護する仕組みがあればいいな、というのはわかる。加害者を逮捕しても被害者を責めても何も変わらなくて、判断力が鈍った状態をどうにかしないと意味が無い。

けど、そこで判断力が鈍った人の代わりに他の誰かが正しい判断をすればいいじゃないというのはまた別の正しさで殴っているにすぎません。それが傍から見てどんなに正しい選択肢でも被害者にはそれが選べない理由があるのです。

だからたぶんそっちの方向性ではなくて、貧乏だろうと中退しようと退職しようと子を捨てようと追い詰められないセーフティネットを作るほうが近道ではないかと思う。

 

正しくないお前の代わりに正しい私が選んであげよう、ではなくて、いいじゃない大学なんか行かなくても大丈夫生きていけるよ、とか、貧乏だってそこそこ楽しく暮らせるよ、とか、男が好きでも女が好きでも恋愛しなくても結婚しなくてもいいじゃないその人の人生だもの。子供育てるのが大変だったら一度里子に出しちゃえばいいのよ子供は社会で育てるものよ。遅刻なんて平気平気、医療ミスで死んじゃってもいいじゃない人間だもの。

たぶん求めているのはそういうことなのではないかと思う。