雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

無職のババアだけど上野千鶴子はなぜあんなに胡散臭いのかを考える

どうも。無職のババアです。無職とはサラリーを貰っていないということなので間違ってはいない。無職ったら無職なんでそこんとこよろしく。

で、上野千鶴子の祝辞でいろいろ議論になっていて、もう議論になっているというだけで上野氏としては大成功なのだろうし私としては相変わらずケンカがうまい人だなという感想しかないのですが。

www.u-tokyo.ac.jp

 

この祝辞に噛みついている東大生増田がいました。

anond.hatelabo.jp

ババアとしては若いなぁとなまぬるく見守る心もちですが、ちょっと思ったことがあるので書いてみる。

 

東大生増田のいいたいことはおそらく二つで、

  1. 統計がガバガバ
  2. 言ってる意味が分からん、意味を理解したくない

だと思う。

それでね、統計についてはお怒りごもっともだと私も思う。あの祝辞に限らず、上野千鶴子氏の統計の扱いは恣意的すぎる。学問をやってきた人としてはキィィィ!となるのも分かる。

 

でもね、東大増田は学問や現代科学を素朴に信じすぎ。

予算委員会やら談合やら出てみると統計なんてカネとコネ次第というのがよく分かる。上野氏はうさんくさいけど、そのうさんくささがなければ存在しえなかったエビデンスがたくさんあって、上野氏がケンカを売らなければ性犯罪やらセクハラやらパワハラやらだってずっとなかったことにされ続けていたんだよ。

どんなに平等に思える学問でも実際はドロドロの権力闘争の上に成り立っていて、権力が無ければ安全も平等も保障されない。まぁ東大増田も自分で予算をぶんどってくる立場になったら分かるでしょうが。

 

ということで潔癖な東大増田には受け入れられないかもしれませんけども、統計がガバガバであることは上野氏の祝辞を否定する要素にはなりません。残念ながらこの世は力こそパワーなので。

 

そしておそらく東大増田が本当に腹が立っているのは統計の部分ではないと思うよ。

 

たとえば「東大合格おめでとう。君たちは世間一般よりずっと優秀だと統計で証明されています。また生涯賃金も高く成功できるという統計が出ている。よかったね」みたいな祝辞があったとして、上野氏の祝辞と同程度に統計ガバガバなわけなんだけどそれでも東大増田は同じくらい怒り狂って増田に書き込むの?統計がいいかげんなものなんてこの世にごまんとあるわけだけどそれに一つ一つ突っ込んでるの?突っ込んでないのだとしたら、なぜ上野千鶴子の祝辞にだけ突っ込みたくなったかというその点をじっくり考えるべきだし、それをせずにただ反射的に否定するだけでは上野氏の言葉を図らずも証明していることになっている。

 

 

 

東大増田は上野氏のガバガバな統計に怒っているようにみえるけどそこは本題ではなくて、結局上野氏の祝辞の意味を理解したくなくて吹き上がってるのだろうと思う。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
↑だからなんだよ。ここから得られる教訓って何?

そういうとこだよ東大増田!

ここから教訓を得られないこと、努力できない環境を想像できないこと、それこそがお前が恵まれていることの証明だよ。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。
↑恵まれない人を助けることに繋がらない学問やっちゃいけないの?ブラックホール撮影しちゃだめ?ニュートリノ観測しちゃだめ?

あーあーあーあ聞こえなーーいってか。学問が無駄かどうかの話は今してないだろ。話ずらすな。

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。

ここも東大増田には意味が分からないみたいだね。女性だからとか頭が悪いからとかあれこれ弱者のレッテル貼って弱者は不遇な扱いをしていいという構造自体がおかしいって話。女性は弱者ではないし、東大増田だって強者である必要はなくて、変に意地はってこじらせずに素直に周りを頼ろうねと言うエマのスピーチ的な話をしてるわけ。

 

 

 

 

 

上野氏は良くも悪くもパイオニアなのです。地球は平らだと信じられていた時代に太平洋を渡ってアメリカ大陸を見つけてしまうタイプ。自分に都合の良いものだけを信じてデータを捻じ曲げてそれでも信念を貫き通して死屍累々の中勝ち抜いて立ち続ける人。すでに出来上がった学問の枠組みの中で精度を高めていく発想しかない凡百な秀才である東大増田には、この世にない物を実体化させる孤独は分からないかもしれないけどね。まぁパイオニアが切り開いた道を整備していくのが東大増田みたいな人の役目なんで適材適所ってことで。