雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

下っ端の仕事がどう大変なのか学んだ

ずっと一人で仕事してきて偉くなってからは私がボスでやってきているので履歴書の一枚すら書いたことがない。就職氷河期直撃世代だけどしゅうしょくってなにそれおいしいのりくるーとすーつってどこの民族衣装。

 

で、最近ずっと同じ仕事ばかりで飽きてきたタイミングで知り合いの知り合いから下請の仕事をしないかと誘われて受けてみた。仕事内容は本業とは全く関わりない趣味の領域で特に技術があるわけでもなく実務経験も全くない分野で、シロウト仕事でいいから格安で適当にやっつけてくれ、みたいな依頼。おもしろそうだから受けてみた。

それで言われた通り格安で適当にやっつけて納品したらなんか急に手の平返してすごい高いクオリティのものを出してこいみたいなことを言われたので「そこまで求めるなら大手に発注しろ」と返事したらなんかメンタルの心配されて解せぬ。なんなんだ。

 

素人仕事で適当に納品して←わかる

手の平返してダメ出し←きっと向こうさんの事情が変わったんだろう

メンタルの心配←わからん

 

今回

元請けA→下請けB→下請けの下請け(私)

という構造だったんだけど、どうやら元請けAの要求するクオリティが突然ガン上がりしたらしい。いやそういうことはあるよ今回は特にコロナもあったから懐事情も変わっただろう。でも「らしい」ってなんだ「らしい」って。下っ端の私には開示されないとかならそれでもいいけどそういうことではなく下請Bすら事情が分かってないらしい。なんなのそんなに他社に漏らせないような事情なの元請けAはよっぽど危ないの?と思ったらそういうわけですらなく下請B曰く「元請けAに事情を聞く勇気がない」だそうで。利権とか因縁とかでなくただひたすら勇気がない。

 

勇気とな。

元請けの求める物をヒアリングするのに勇気とな。

それなりの大金が動く仕事の打ち合わせに勇気とな。

 

なんだそれなにもかもわからねぇよ。

 

 

 

いやA社とB社の事情とかどうでもいいんだ。すごい気になるけど。なんか結末だけ削除された推理小説を読んじゃったみたいな気分だけど。でも他人のことだから私には関係ない。問題は私はなぜメンタルの心配をされたのか、だ。

 

どうやらA社の人は「せっかく仕事を頼まれてウキウキだったhedghogxが提案を却下されてへこんでるから慰めてあげて」みたいなことB社の人に言ったらしくて、なんか私ウキウキワクワク仕事したみたいになってる。たぶんこれ私49歳アイドル志望みたいに思われてる。憧れのお仕事のオーディションに出たはいいけど採用されなくてへこんでるみたいに思われてるー!

いや仕事だから。格安でやっつけの仕事しだだけだから。金さえもらえればあとは成果物をどうしてもらっても別に。だいたいなんで仕事にそこまでお気持ちを入れ込むみたいなことになってるんだ。あと直接言え。私がへこんでると思うならA社の人が直接それを私に言えば全て解決するんだよなんで間にB社を挟むのまじで意味わからない。だいたいB社の人なんで業務外で私を慰めてあげなきゃいけないのB社の人かわいそう。

 

なんだろうこれ私オーディションに落ちた49歳アイドル志望としてしくしくめそめそしなきゃいけないのかな…?

 

 

 

 

今回、世の中はかなりの割合でお気持ちと錯覚で出来上がっているということが分かった。自分の求めているものを明確に言語化するというのはかなり難解なことで、ほとんどの人は自分が何を求めているか言葉に出来ないまま気に食わないとイヤイヤ期のままダダをこねている。やべーよなんだよ勇気って。

これが私に裁量のある仕事だったらさっさとミーティングして30分で解決するのに、今回私は下請けの下請けなのでもやもやぐちゃぐちゃなままわけのわからない方向に進んでいく仕事を眺めるしかない。でもこれでそれなりに世の中はきちんと回っていてなんだったら彼らのほうが稼いでいたりもするので、きっと彼らのほうが正解なんだろう。なんかすごい。あのぐちゃぐちゃな仕事がどういう結末になるのか楽しみ。

 

あと改めて思ったのが、私の感情は私にとって洋服くらいの意味でしかなくて、私にとって感情とは相手の要求するTPOに沿って纏うものでしかない。

私がいつも自意識過剰で傲岸不遜なのは私の周りの人達が私にそうあれと望んだからにすぎない。だから別にA社の人が私に49歳アイドル志望としてめそめそ泣いてほしいのだったらためらいなく泣く。土下座でも枕営業でも必要ならする。土下座や枕で有利になる局面が皆無だからやらないだけで、それで有利になるなら普通にやる。これまでの人生でいろいろなことをやってきたけど別にそれで私の中の何かが変わることはなかったしこれからも無いだろう。

てことで私という自我は私の周りの人の望みを反射する鏡にすぎなくて、だから今回すごくめんどくさかったんだと思う。A社の人もB社の人も私に何を求めてるのか全然分からなかった。分からない中で見えない相手に忖度するの馬鹿みたい。

 

これたぶん私の外見ヤバすぎ問題なんだろう。

私が私の矜持と能力に見合った外見であればそれ相応の扱いを受けるのだろうけれど、私の外見はどう見ても49歳アイドル志望だからな。面と向かってダメ出しとかしたら泣いちゃいそうなババアだから。

そろそろ本格的に外見改造しないといけないんだろうか。でも改造してもすぐボロがでるからどうしよう。