頭の悪い人に説明するときには説明を省くのではなく説明を捏造しなければいけないという大発見をしてこれ何かに似てると思ったんだけどわかったこれ裁縫と似てるんだ。
私は立体を平面に展開する能力に関してはおそらく世界でもトップクラスで、少なくともこの業界の英語と日本語の研究者の中ではぶっちぎり首位独走なのだけど、私が洋服を作るときは布を買ってきて適当にハサミで切って適当に縫うと普通にそれらしいものが出来上がる。やろうと思えば狩衣でもドレスでも作れる。別にやらないけど。
だから私が裁縫のやりかたを教えるとすると、「まず脳内に人体を作って、そこに仮想の布を巻きつけて、その布を平面に展開して、あとはその展開図をフリーハンドで切り出して縫う」みたいな話になる。
でもたぶんそれは普通の人にはできないと思うんだ。
でもだからといって、じゃあしょうがないから洋裁用のCADの使い方でも覚えれば?とか、もういっそ実物大のマネキンを買ってきてそこに布を巻きつけて立体裁断すれば?とか、そういう発想でやっていってはいけない。
じゃあもう普通に型紙買ってきてその通り作れよ…それしかないじゃん……と思うけどそういうのは満足できないらしい。自分で思い通りの服を作りたい。でも脳内CADは搭載してない。実物のマネキンに布を巻きつけるのはめんどくさいからやりたくない。めんどくさいから!!文句いうなよめんどくさいくらいやれよやらないんだったら文句いうな!と思うけど、おそらくこの「めんどくさい」というのは非常に強力で、やる気とか根性とかでは乗り越えられないタイプのものらしい。鬱病にがんばれみたいな。
じゃあどうしろと。。。
というのに対する一つのアンサーが洋裁なのでは。
とりあえず洋裁をぐぐってみた。
縫い代表は1cm裏は0.7cmとか。なんだその3mmの差は。布の厚みとか硬さとか考慮しないでいいのか全ての布で3mmなのか。そこはあれだろ、「布の厚み×2×π+布の硬さによってできる隙間」だろ…布の硬さによってできる隙間を計算するならもっとすごい計算がいるだろ…
あとあれな。平面裁断。
なんでだよ1mm2mmの誤差にこだわって採寸して製図するくせに斜め部分は一律+6cmとか…おま……それでいいなら最初からだな、許容範囲をだな。だいたい伸縮率も求めずに型紙だけ正確に作ってどーすんのこれ。。。
そもそも布の名称な。なんだあの命名規則。打ち込みの硬さとか糸のよりとかそういうの書いて。いやむしろずれ応力とか弾力とか書いといて。せめて厚みを…あと密度、比重でもいいから……
裁縫なんて脳内の立体を平面に出力すんだよ。それだけだよ。たったそれだけのことをどうしてこんなに回りくどく莫大でめんどくさいものにしちゃうの。作り方なんて一行で済むじゃんなのになんなのこの情報力はいったい何をどうしたらこんなに増える。
このあたりを解明すればもうちょっとうまく説明できそう。