雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

政治は分からんが少なくとも枝野氏をクリエイターとして尊敬する

すごい、普通だ…

政治家なのに普通に意味の分かる日本語話してる…

 

ていうか枝野氏の言ってることはものすごく普通なんだけどそれが際立って見えてしまう現状のヤバさがものすごくよくわかった。

 

枝野氏が言ってたことの雑なまとめ

  • 憲法に基づいていろいろ判断しようね、
  • 表現とか自由とか守ろうね、
  • ルールは守って公平に、
  • 記録はきちんと残して、
  • 金持ち優遇ではなくて貧困層支援を通じて経済回復目指そうね、
  • 以上、難しいけどがんばるからほんとよろしく

ほんと普通。小学校で習うような普通のことしか言ってない。

 

原文はこちらの方がまとめてくれています。

枝野氏演説全文(10月3日)

 

 

でも現状、

  • 憲法どうでもいいから戦争しようぜ
  • 表現も自由も安全も守らないぜ
  • ルール?そんなの知らない
  • 記録?捨てたよ!
  • 景気?派遣使いつぶせばいいじゃん
  • 以上、数の暴力でゴリ押しする反論は認めない

なわけで。やばいよこいつジャイアンかよ。

 

消費税がどうとかやたらこだわっていた人も、古き良き「民が自ずから治める」自民党へのノスタルジーを捨て切れなかった人も、これで現状が分かったのではないだろうか、ていうかいいかげんそろそろ分かれ。現実を見据えろ。

 

ただなぁ、カネの話をしないと多くの票はとれないのではないかという懸念は大いにある。

「盗聴法や共謀罪が成立しても誰も逮捕されてないから大丈夫」「憲法の文章なんて変わっても国民の生活には影響ない」「そんなことより景気回復(だが格差社会を悪化させる政党を支持)」という人にとっては、今回の枝野氏の演説だっておキレイな戯言にしか聞こえないのだろう。われわれ人類が哲学にどれほど支配されているのか知ろうとすらしない軽量化脳みそを搭載している層にこの言葉がどの程度響くのか。急ごしらえの今回はともかく、今後も枝野氏率いる立憲民主党が成長できないのであれば知的活動により繁栄してきた人類というシステム自体が賞味期限切れなのかもしれない。まぁ私は私と私の子が逃げ切れれば別にどうでもいいんだけど。

 

 

 

というのが一市民としての視点なんだけど、これクリエイター目線でみると枝野氏の知力と胆力がほんとものすごくて、クリエイターあるいは(近現代的な意味での)建築家としてすごく尊敬する。

 

たとえばもし私が枝野氏の立場に立ったとして、そもそも民進失脚時点で心が折れて仕事やめてるだろうけどもしも今の枝野氏の立場までこぎつけたとして、やっぱり自民と安部と小池死ねとしか言えないと思う。彼らがヤバいというのは私の中で絶対の決定事項でそれを他者に説明する必要があるという発想に至れない。

そこでまず開口一番、立憲という言葉の意味、長く続く中で空気のように当たり前になった立憲主義の重要性を説くという発想、しかもそれを相手を見下すことなしに行うというなんというか合気道的な方法がすごい。

あと単純にこんなに理路整然とした文章を口頭ですらすら言える記憶力すごい。頭の中どうなってんだろ。ものすごく複雑なことをあたかも理解できたかのように錯覚させるこの力量を目標に精進したい。

 

自分の中での絶対的な正義をニュートラルな視点で前提から説明するというのはかなり怖い行為で、だからこそ人は狂ってゆくわけだけど、そこを超えたときに人は神の領域に少し近づいているのではないか、なんてことを思った。