このあいだ久しぶりにカードゲームで無双して、そのあとオセロでボロ負けしてわりと楽しかったのでメモ。オセロのふわっとした独特の定石だけはいまだに意味がわからない。。
私はプロのギャンブラーで食ってけるんじゃないかと思う程度には賭け事に強いです。でも別に百発百中完全勝利ではなくて普通に勝ったり負けたりする。ていうか、ある程度確立したルールの中でゲームをすれば予知能力でもない限り、全勝するのは不可能です。
100%勝つとか100%負けるとかいう極端な状況であればだれだって正しい判断ができます。問題は勝つか負けるか微妙なライン、つまり、勝率49%を捨てて勝率51%を選択できるかどうか。ギャンブルに強い人は常に51%を選択できます。だから私も個々の局面では勝ったり負けたり、そんなに強くなかったりする。でも長い目で見たときにひっそりと財布が厚くなっています。
100%を選択するのは誰でもできるけど、51%を選択するには膨大な知識と知能が必要です。カードゲームであれば場に出たカードをすべて暗記するとか、将棋であれば定石を何万通りも覚えるとか。そこまで努力しても勝率は51%なので素人目にはたいしたことない無駄な努力に見えてしまいます。
局所的にみれば、51%も49%の違いなんて誤差みたいなもんです。そしておそらく、多くの人にこの誤差の重要性は理解できない。たった数%の確立を上げるために莫大な努力をするなんて無駄、もっと分かりやすい成果を、という発想が昨今の大学予算削減であったりモリカケ不要論であったりするのでしょう。
頭のいい人が51%の話をしているのに、頭の悪い人が「でも100%じゃないしお前の予想このまえも外れたじゃん」と噛みついているのだということに、頭のいい人たちはもう少し自覚的になったほうがいいと思う。
たとえば「共謀罪で国が亡びる」という言説があったとして、「でも共謀罪成立しても逮捕されてないじゃんバーカバーカ野党は無駄ばかり」とか言う人が結構いるんだけど、「共謀罪で国が亡びる」というのは「共謀罪(を発端として今後発生するかもしれない状況)で国が亡びる(可能性が51%くらい存在する)」という意味なんで。でもそこを丁寧に説明すると100%しか理解できない人は「51%なんて低い可能性を考える野党のバーカバーカ」ってなる。
ちがうんだよ51%を全力で考えるのが未来を作るってことなんだよ…
でも普通の人は場に出たカードをすべて暗記するとか無理じゃん。
だからたぶん、政治における51%も理解できないんだと思う。ブタに言葉を教えるのと同じくらい無理。だから人間様がブタに歩みよるしかない。
複雑で正しいことを暴力的に単純化するのはめちゃくちゃ大変ていうか不可能なことだけどがんばるしかない。すごいめんどいけど。