とある芸能人が乳がんで亡くなったことでガンの民間療法が叩かれてますね。
なんだろ、告知から数年であっさりなくなってるってことは発見当時すでに手遅れだったわけで、その時点で標準治療したって余命1年がせいぜい余命3年に延びる程度で、しかもその余命は想像を絶する苦痛に満ちたものになるということを知った上で民間療法を叩いてるのかなというのが疑問。
そりゃキノコ食べるとかお祈りするとかでガンが治るんだったらとっくにガンなんて駆逐されてますよ。そもそも感染症のような他生物との闘いならともかく自分の細胞に組み込まれたエラーなんて生命のありかたそのものを変えて全身サイボーグ化くらいしなきゃ根絶するわけない。
なので私も民間療法には懐疑的ではあるんだけど、それと同じくらい抗癌剤や放射線にも懐疑的。
そもそも、手塚治のブラックジャックが誤解の根源だと思う。一般の人の素朴な感性としては、天才外科医ブラックジャックが執刀した患者さんはその後すっかり元気になって幸せに暮らすというイメージなのだろうと思う。
でもブラックジャックがどれだけ天才でも所詮人間なわけで、あれだけ大手術をしたら命が助かっても一生半病人で病室に閉じこもって生きていくというのが現実的な結末だ。果たして病室から一歩も出ない余命10年を与えられて患者さんはブラックジャックに感謝しただろうかというところをよく考えたいところ。
抗癌剤や放射線、あと癌関係ないけど臓器移植とかもそうだけど、大規模な医療行為というのは元気で健康な体を取り戻すためではなくて病室に閉じ込められて苦しみながら余生を過ごす病人を作るためのものにすぎない。
そもそも癌になった時点で死は確定なわけで、あとはさっさと死ぬかアホほど医療費かけて税金も使って半病人として苦しみながら死までの時間を長引かせるか、どっちらかしかない。
根拠の無い民間療法がたいした効果もなく死期を早めるものだとすれば、抗癌剤や放射線みたいな現代医療で認められている治療というのは半病人として苦しむ期間を長引かせるもの。
どちらを選ぶかはその人の人生観によって好きに決めていいんじゃないですかね。それを外野がごちゃごちゃ言うほうがよほど恥知らずだ。
かく言う私ももし今癌になったら状況によっては標準治療を選択するかもしれない。まだ成し遂げていないことが多すぎるから。でも10年後だったら迷いなくテキトーな民間療法をかじりつつ死を待つかな。