私も私の娘も他人の気持ちが良く分からないという特性があるけど、それを自閉症スペクトラムと言われるのがなんか違和感がある。いや確かに自閉症スペクトラムの要素もあるんだけどなんかちょっとそれとは違うのも混じってるよな、ていう。
たぶん、自閉症スペクトラムとかアスペルガーとか言われるタイプの空気読めなさというのは、『模倣によって生じる感覚共有幻想』みたいなものが発生しない、ミラーニューロンが働かない、みたいなものなのだと思う。
図にするとこんな感じ。
まず、定型同士のコミュニケーション
発信者:怒った気持ち→気持ちを伝えたい
受信者:「もし自分がこの表情になるならこんな気持ち」というのを想像→「もし自分がそんな気持ちになったらしてほしいこと」をする
そうすると、受信者は「私の気持ちが分かってもらえた、受け入れられた」という気持ちになって満足する。
つぎに、定型と自閉症のコミュニケーション
発信者:怒った気持ち→気持ちを伝えたい
受信者:表情から気持ちを読み取れない
よって、受信者は「私の気持ちを理解してもらえない」と思って齟齬が生じる。
みたいなのがたぶん、自閉症スペクトラムという定義なんじゃないかなと思ってる。
自閉症スペクトラム障害でミラーニューロン回路の不全 — 京都大学
喜怒哀楽という基本の感情は持っているんだけど、それを他者と結び付けられない。
だからフェイススケールで表情と気持ちの関連を勉強するみたいなのが必要になってくるのではないかな、とそんな感じで想像してる。
で、私や私の娘は『気持ちを忖度する』機能は十分すぎるくらい発達していて、その点ではたぶん私たちは自閉症とは真逆の特性をもっているのだと思う。
でも、私たちは自閉症スペクトラムとは真逆であるはずなのに、「相手の気持ちを表情から読み取れない」という自閉症と同じ結果が起きる仕組みを考えてみたのがこちら。
気持ちを受取る機能はあるし、理解したい気持ちもあるんだけど、肝心の感情がないんだよーー。
てのに気づくのに結構時間がかかった。
娘の場合、怒るとか裏切るとかいう気持ちがよく分からないらしい。
だから怒られてもへらへらしているし、説教の最中にゲームをはじめちゃったりするし、ごめんなさいが言えない。普通、怒られてもへらへらしているという場合は怒られたことに納得していないとか反発しているとかなんだろうけど、娘の場合そういう気持ちは別にない。むしろ積極的に問題解決し悪い部分は改めてゆく意欲も十分にある。でも態度が悪すぎて伝わらない。
怒るとかむかつくとかいう気持ちが存在しないとか、そんな聖人君子いるわけないしまして私の娘がそんな奴だなんてありえない、と思うんだけどコイツはガチでそういう奴なんだ…
私「あなたの友達があなたとの約束を守らなかったらどう思う?」
娘「なにか事情があったのだなと思う」
そうかい。。。
私「あなたが信頼していた友達があなたの悪口を言っていたらどう思う?」
娘「そうせざるをえない事情があるのだろうと思う」
ぐう正論。。。。
私「突然通り魔に殺されたらどう思う?」
娘「その状況になってみないと分からない」
私「そこをなんとか想像してみて!」
娘「悲しいし怖い」
私「犯人の通り魔に対してはどう思う?」
娘「通り魔を決行するに至った経緯を聞きたい。」
そーこーかぁーー
いや確かに聞きたいけども。その前になんかあるだろ!一発殴らせろとかお前も殺してやるとかそういうの。
娘「犯人が死ぬことで再発防止になるのであれば、悲しいことだが全体の幸福のために死刑も必要なのかもしれない。だがおそらく死刑は根本解決にならないと思う」
なんかちがうーーーー!
そりゃそんな考え方をしてるなら、怒るとか意味わかんないよね。
ほんともうなんなのこいつはよ。