雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

みんな医療に夢見すぎ。人は簡単に死んでいい。

裏口入学やら女性減点やらで医者のブラックさがやっと表に出てきたわけでよろこばしいことです。

東京医大に関しては、黙って点数操作していたのはどう考えても悪いし、やるんだったら堂々と公表して世間に是非を問うべきだったという一点につきます。でも医学のブラックさについては、現場から「仕方ないじゃんブラックで」という声しか聞こえなくてなんていうかもう。

現場にいるとどんなに狂っていても現状を肯定したくなるという心理は私も経験あるのですが、あれたぶんストックホルム症候群なんだと思う。だから現場医師の言葉はリスカとOD繰り返す女の子の言葉くらいの気持ちで聞いてあげてほしい。ほんとブラックなんよあの業界…

 

過酷な状況で心が疲れちゃってるブラック社畜の世迷いごとなんで…みんなヨシヨシしてあげて……

 

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で、じゃあ今後どうするかというのを考えた時、みんなオールオアナッシングな考えになっててちょっとどうなの。問題は可能な限り細分化して考えなきゃって小学校で習わなかったのだろうか。

 

てことでちょっと考えてみた。

解決の決定打はないから、これらをひとつひとつやっていくしかないのだと思う。

やっていったとしてうまく解決はできないかもしれない。医療崩壊は避けられないかもしれない。でもしょうがないじゃんと言って何もやらずにハードランディングするよりは少しでもあがいてソフトランディングするほうがずっと被害が少ない。ということすら理解できない人が医師をやってることに不安しか感じないんですが彼らほんとに大丈夫なんですかね。 

 

 

まず、フリーアクセスのほどよい制限は急務だと思う。

ていうと「急病で待たされて死んだらどうする」「子供が高熱出てても病院につれていけない社会になる」とか脅す人が出てくるんだけど、そういうのじゃなくて病院をサロン代わりにしてる暇人を駆逐するうまいシステムを考える。ただこれ、どうやって選別するかにまた利権が絡むので慎重に進めるべきなのだけど、でも検討していく。あとせめて救急隊員が認めた急病人じゃないと救急車乗れない、くらいはすぐ導入してほしい。まじで。

 

あと、医師の人数増やして収入減らす。

ていうと「医療費の高騰ガー」とか脅してくるけど、医療費の大半は教育費ではなくてランニングコストだから。人数増やすのは医療費にさほど影響しない。そのあたり冷静に試算したほうがいい。ていうか弁護士はそれやったんだから医者だって多少は増やせる。

 

そんで医師の業務を他業種に投げる。

ていうかそもそも医行為すべてをできる無敵免許がおかしい。さらに根本的なところでは、現場の兵隊と研究者に同じ知識が求められるのがおかしい。これはたとえるならキャベツ農家で草取りしてるオッサンに研究所で遺伝子組み換えキャベツを作ってる研究者と同じ技量を求めている状態。そりゃ人手不足にもなるわ。

だからまず、医療行為技術者と医学研究者はわけないと。技術者はさらに細分化して外科手術士とか内科診断士とか作ってレントゲン技師レベルの資格にしてけばいいんじゃないかなと思ってる。赤ひげ先生やブラックジャックが一人で患者を抱え込むという前提がまずどうかしてる。

 

 

あと、たぶん一般人が医療に求めていることは『医療』じゃないんだと思うんだよねー…

 

先生治してくださいっていうけども。治らなかったら怒鳴り散らすし訴訟もするけども。でもあれ、治ることを求めてるんじゃなくて、どうしようもない状況の中いっしょに祈ってくれる人を探しているのだと思う。

最近、100歳の年寄りを事故死させたとして介護施設が1300万の賠償金を支払ったという事例が話題になっていたけど、あれとかも遺族が望んでいたのは1300万ではなくてヨシヨシだったのではないだろうか。いや普通に賠償金ゴロの可能性もあるけど、ゴロツキ以外の普通の人が訴訟に踏み切るのは金が欲しいからではなく気持ちのやり場がないからだ。そして現代日本では、病気や障害を抱えてしまった人の祈りはことごとく否定され取り上げられる。

 

たぶんこの国に必要なのはマザーテレサの「死を待つ人の家」なのだろう。

 

医療の問題はどうしたって命を選別する思想にいきつく。そこで権力者が恣意的に選ぶ優生思想から脱するには、どうしようもない状況で共有する祈りという観点がたぶん必要なのだろう。