雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

好きなことを仕事にするとしんどくなるという話

こんなの中島敦の時代からあらゆる人が言ってきたことなのだけど私にとっては初めての経験だったので書く。

 

もともと私の専攻はこの世で一番嫌いなもので、もうその場所にいるだけで自動的に死にたくなるくらい嫌いで、昔はわりとそれで自殺未遂とかしてたくらい嫌いで盛大に病んでいたのだけど、最近ぼちぼちと趣味を仕事にしはじめたらそれはそれでつらかった。この世には地獄しかないのか。

 

趣味でお金がもらえるならちょっとラッキーくらいで始めた副業なのだけどわりといろいろな追い風があって順調に話が進んでしまっていろいろな人を巻き込んで道楽の領域を超えたちょっと大き目ビジネスに手を出してしまったらめちゃくちゃつらかった。

いや仕事内容自体はわりと楽。実務から離れて指示を出すだけなのでとても楽。あとなぜかわからないが手取り足取り面倒見てくれる謎のオッサンが出現するのでだいたいのことはその人がやってくれる。なんなら本業より楽。本業は私にしかできないことがたくさんあるけど副業のほうは謎のオッサンに丸投げできる。私はなにもしないでたまにオッサンと打ち合わせするだけでその打ち合わせすらコロナの影響でリモートになっててこれで稼いじゃってほんとにいいの???というくらい楽。

 

なのになんかへこむ。気持ちがへこむ。特に何もしていないのに寝込む。

なにか自分を切り売りしてるような気分。自分の大切なものを踏みにじられた気分。なんでや。今回のちょっと大き目ビジネスでは私の趣味は完全に封印して普通にビジネスとして割り切って仕事をするつもりだったのだけど、なんだろうこんな売れるためだけのものを作って私のファンに売ってそれで私は何がしたかったのだろうか。電通のワニのようなもの悲しさ。

なんかもうこの趣味の分野では私はずっとファンのままでいたかったのだと思う。売るためだけの電通プロモーションで案の定売れてもそれは私の欲しかった交流ではなくて、そりゃ電通メソッドやれば売れるよ売れるけどもそんなことで私の商品を手に取った人達を私は愛せない。

 

 

私にとって趣味はありのままの自分をカジュアルに少しだけ受け入れてもらえる経験だったのだと思う。私が普通にしていると激しく憎まれるか激しく崇拝されるか完全に無視されるかのどれかかになってしまうから、普通にちょっとだけ好感をもたれる普通のことが今の私にとって必要なことだったのだろう。

 

 

とりあえず今回の仕事が終わったら趣味でビジネスするのはやめよう。