人間は放っておくと狂う生き物であり狂っているのがデフォルトである。というのを前提にするべきだなと思うのだけど、ではどうすれば正気が保てるのかが分からない。
ここで言う狂うというのはワクチンを批判して怒鳴り散らすとか、食器とシンクのスポンジを分けないなんて信じられない人間じゃないとか、そういう訳のわかんないことを周りに押し付けて不幸を撒き散らすやつのこととします。
狂っている状態は外側から見ると明らかにやべぇのだけど当事者は狂っていることに気づけない。気づけないからこそあんなにやべぇことを平然とする。狂うというのはやべぇことをする事ではなくやべぇことをやべぇと認識出来なくなることである。
狂っているという状況を狂っている本人の感覚として言語化する研究は少ない。そもそも自覚できないので「俺は間違っていないおかしいのは他者だ」以外の言葉が出てこない。ので狂うとはなにかというのがずっと分からなかったのだけど、人間の自我というのは車の後部座席に座っているような感じなのだと思ってみたら少し分かった気がした。
自我は車の後部座席に押し込まれていて、ハンドルを握っているのは無意識であったり本能であったりアドレナリンだったりする。このモデルは脳の成り立ちからも納得しやすい。
だから自我が自身の立ち位置を確認するためには窓の外、すなわち他者と関わるしかない。
そして車の中にいる自我は車の速度を感じられない。自我としてはじっと座っているだけなのに外から見ると暴走しているという相対性理論みたいなことが発生しているのが、自分が狂っていることが分からないという状況なのでは。だからこそ宇宙人が攻めてくるだの何らかの陰謀だのという「私はいつも通りなのに世界が変わってしまった」「私は何もしていないのに周りの人が怒り出した」などという主張になる。
これすごい覚えがあるやつ…
私は自称多重人格(笑)なのだけど、私としては別に人格が交代したとかいう感じはない。便宜上「気づいたら知らない場所にいた」などと言うけれど、私の感覚としては全て繋がっていて、どんなに訳の分からない行動をしていてもそれはその地点での私の最適解という点では共通している。私はいつでも私にとって最も合理的な行動をしている。ただその「私」は脳という目まぐるしく環境が変わる場所にいるから目まぐるしく判断基準が変わるだけ。なにかひとつ合点がいった。
だからあんなにワクチンワクチン喚いていたやつが急に大人しくなるのか。あれは双極性障害かなにかなのか。だとしたら対処法なんか薬で大人しくさせる以外にあるのだろうか。。。
