雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

犯罪者を「矯正」するために必要な教育

性犯罪とか、普通に閉じ込めておいたって出てきたらすぐ再犯するのでやっぱ教育みたいなの大事だな。というところまでは分かる。

で、じゃあどういう風に教育すればいいのさというと、とりあえず福祉につなぐ、犯罪しなくてもいいだけの生活の保障をする、みたいなのをやった上でそれ以上何をやればいいのか。とりあえずボコボコ殴って自分の立場を分からせてやればいいんじゃね?くらいしか思いつかない。

なぜ思いつかないかというと犯罪をする理由が分からないからだと思う。

生活に困って窃盗をするとかであれば生活に困らないようにすれば再犯しないだろうということは想像できる。そこまではわかる。でも性犯罪についてはなんでそんなことをするのか本気で分からない。痴漢治療をやってきた医者の手記とか読んでも意味が分からない。

 

それで、意味の分からない行動をしている他者というのはたいてい知能の問題なんだと考えるとわりと円満に解決する。彼らが不合理な行動をするのは合理を理解できる知能が無いからだ。

という仮説を立ててみて、じゃあ痴漢をするような人は精神がゴミクズのクソだから、ではなくてもしかしたら本人の中では合理的に思える行動をしているのではないか、ということでサリーアンについて考えていたらタイムリーにこんな話題が流れてきていた。

 

「見事不正解を決めました」解けない人には絶対解けないと言われる問題『アイスクリーム課題』に苦戦する人たち - Togetter

 

アイスクリーム課題というのはサリーアン課題のもう少し複雑なバージョンらしい。

この記事のコメントを見ると、サリーアンが理解できてない大人がけっこういる。いや理解できない人がいるというのは知識として知ってはいたけど目の当たりにするとやっぱり驚く。

それで、サリーアンが理解できない、というのは人間関係において相当な軋轢を生むのではなかろうか。

「俺はあいつが嫌い=あいつは俺が嫌い」と思い込んでしまえばむやみに攻撃的な人になり、それこそ「俺はセックスしたい=相手の女性は俺とセックスしたい」で暴走すれば性犯罪者になってしまう。

自分自身の心理を言語化して表現するというのは非常に難易度の高いことであり男性はその訓練を受ける機会がないため粗暴になりやすいのではと考えていたのだけどこれはつまり「サリーアンがクリアできていない」という一点に集約されるのでは。

 

彼らに必要なのは刑罰でも炎上つるし上げでもなく、自分の喜怒哀楽を自分のこととして表現できるようになるための適切な教育である、というところで止まってしまうとなにやら道徳めいた曖昧なものが目標になってしまうけど、サリーアンをクリアすることを目標にするのならもっとドライでシステマチックなカリキュラムが作れるのでは。具体的には刑務所でTRPGGMをやらせればいいんじゃね?あと推理小説を読ませるか。あとオセロ。

 

 

 

 

 

なんというか、性犯罪に巻き込まれた被害者の抱く人間不信というのは、加害者が何を考えているのか分からない点に由来するものがあるのではと思います。善良な人間、それまで信頼してきた温厚な人間、がニヤニヤ笑いながら加害してくるその精神構造が分からない。殴るとか蹴るといった暴力と違って性犯罪は、加害者の中では日常と地続きになっている。

私は男性、より正確に言えば現代日本において男性としてジェンダー教育を受けてきた人、を信頼できないのだけど、それは彼らが平然と加害を肯定してくるからです。痴漢にあった?自慢でしょ??夜道で一人歩きしてたら前を歩いてた女性が急に走り出してムカついたから追いかけてやった!そんなことより君かわいいねおっぱい大きいね!彼らは加害を加害と認識しない。自分にとって平気なことは他人にとっても平気なことだと無邪気に信じている以上、子供がトンボの翅をむしるがごとく無邪気に他者を害してくる。

そこで私はお前が気楽に口にしている言葉がどれほどの重みか教えてやろう、ってぶちきれ続けてきて、それはそれで業界の女性比率向上であったり女性幹部の増加だったりと、一定の効果が上がって入るのだけど、そろそろもうちょっと穏便な方法を探れる素地ができつつあるのではないか。できつつあるといいな。