雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

自分と他人の特性を理解する試み

優秀と言われる人には2種類いて、まず短期記憶や単純記憶が強いタイプ。円周率を何万桁暗記するような人。コンピュータが台頭した現代ではぶっちゃけ無能。発達障害とか言われる。

そしてもう一方が短期記憶が弱いタイプ。弱いのに強い。複雑さを理解するためには一度入ってきた記憶を簡単に消去してしまえるというのが大前提となるため、このタイプは暗記を脱した思索ができる。というか、思索しかできない。このタイプは自分が思索しかできなくて、この世には思索以外のフレームがあるということをまず気づかないといつまでたっても「愚かな大衆」を理解できない。

 

私は通販番組のような一方的なまくしたてが全然分からない。フトン安い青汁ヨイくらいの理解しかできない。で、これは思索を深めるのと等価交換で、これまで信じてきたことが実は不正確で本当はもっとずっと複雑なんだと言われた時にすぐに理解出来る。大学に入って1+1が2というのは実は嘘で、という話をされた時にこれまで何十年もこびり付いてきた1+1が2を数秒でデリートできる。

 

そしてこの世には逆に短期記憶しかできない人というのが存在する。思索の僕である私には意味がわからないが、存在する。通販番組が理解できる人というのが存在する。そして電通とかに就職して通販番組すら理解できない人たち向けのコンテンツを作っている。

では、通販番組を理解するとはどういうことなのか。

かれらは暗記という特殊能力を持っている。

 

このフトンはなにがしという特徴を持つナントカ産ナントカ鳥の羽毛のナントカな部分を丁寧にどうにかしあれな加工した後にこれな加工をすることで良きに計らったフトンとなっている

 

というまくしたてを彼らは暗記してしまう。そして「あれ?ナントカ産鳥はなにがしという特徴があるはずなのに、ナントカ加工をしたらなにがしが悪くなってしまいませんか?」のような質問ができる。すごい。私にはとてもできない。このまくしたてを聞いた時に私に理解できるのはせいぜい「鳥…?のフトン??すごい???」程度。

が、彼らは1度入ったイメージを消すことができない。知識が一度入るとどんなに正論を積み重ねても理解できない。だって1+1は2でしょう?で止まる。

フトンの例で言えば

「いやここで言うなにがしというのはお前がイメージしているなにがしではなく」が入らない。何時間会話しても「でもなにがしはなにがしでしょう?」から動けない。

 

この硬くなさは度々直面してげんなりしていたのだけど、これ本当に分からないだけで分からないふりとか悪意とか分かってはいけない事情があるとかでなく、普通に分からないらしい。

とても熱心で良い子な新卒の坊ちゃんで、私なんかよりよほど仕事ができて優秀で真摯に分かろうとして何時間も何回も質問してきてその度に私も何度も何度も同じことを丁寧に教えて、それでも「でもなにがしはなにがしでしょう?」に行きつく。先入観を消去できない。悪意は欠片も無いのにひたすら分からない。もはやそういう怪異と言われた方がまだ納得がいく。

 

恐ろしいのが、彼が所属する会社が電通並みかそれ以上に馬鹿食いつくしビジネスで、よくもまぁ次から次へとあんな扇動を思いつくと関心するような陰謀論を流布する会社で彼もいくつものろくでもない言論に関与してきた実績がある。なのに彼本人は痛々しいくらい真摯に熱心に学問を理解しようとがんばっている。

つまり、彼のこれまでの仕事は彼なりのアカデミーであり真面目に真剣に良きものをこの世に売り出していたのか。

 

そうか、アレは愚者を食い物にして金を巻き上げる詐欺ではなく、本当に本気で全力の「よきもの」なのか。その結果がこれなのか。そうなのか。この世のわりと多くは善意なのか。えっちょっとなにそれえっっ??なにそれ??理解が追いつかないんだけどどういう事なの私が見てきたあれもこれもどれも全て彼らの善意で全力であの新卒の坊ちゃんみたいな優秀で勤勉で熱意に溢れた人たちだったの????私の人生の大半が裏返るんだがなんだこれどうすればいいんだ

 

とりあえず寝ます。