雑記帳

リベラルでもフェミでもないただの愚痴

闇に呑まれないようにするために知性を信じるということ

何年も前に作った「自民党やばい」タグがこんな意味を持つ日がこんなに早く来るとは思わなかった。

 

自民党とかあんなことやってたらそりゃいつか民衆に殺されるのは確定路線なのによくそんな突っ走られるねというのはずっと思っていた。殺されるのは子孫の代かもしれんが時代の流れが速まっている昨今自分が殺される可能性もあるんだぞとか思ってたらほんとに殺されてた。

もう一つ、私が大嫌いな老人たち。

最近年金が減額されてカツカツだよ(退職金4000万年金40万医療費1割負担)若者世代しっかりしてよ野党なんか投票するからこうなるんだよせっかく自民党ががんばって株価あがってたのに俺らが若いころはもっと働いていたしもっと貧乏だった(40代で1000万超)いやぁ最近ちょっと頭が痛くて救急外来行ったよ働いてないからすぐ病院いけて便利看護婦の態度が悪かったから怒鳴りつけちゃった全く最近の若いもんは目上への敬意が足らない。子供は母親が育てなきゃ保育園なんて可哀想いまどきは中学受験があたりまえなんでしょ親なんだから当然ところで今年のバカンスどこ行くの?ハワイ?バリ?子供が小さいころから海外経験させないとね貧乏にだけはさせちゃだめだよだって貧乏だと好きなものが買えなくなっちゃうんだからねHAHAHA

正直硫酸ぶっかけられても文句言えないと思う。

何がグロテスクって彼らがこれを言う先が自分の息子だということ。海の向こうの名前も知らない遠い国に思いをはせることができず無邪気にチョコレートおいしいスマホ便利と言っているというのは無知で説明がつくけど、盆正月には帰省してくる血を分けた息子(年収300万既婚鬱病で通院中子供は不登校)に向かってそれを言い放てるのってなんかもう怖い。それを我慢してる息子もいつか硫酸をかける気がして怖い。「儂らは黙ってても給料も預金も上がってありあまる金を自分のバカンスに全部つぎ込むから儂らの医療費と介護費は負担よろしくねもちろん延命は青天井でねまぁ儂らは上の世代の面倒なんか見ずに稼いだ金は全部自分のものだったけどおまえらは俺らの面倒みてね教育費も10倍になってるけどがんばってね家族なんだから当然でしょあとコロナで死にたくないからおまえらの娯楽は禁止ね仕事以外は家に閉じこもっててねでも仕事は休むな俺らの面倒は全て見ろ。鬱病適応障害ブラック企業?最近の若い者は根性が足らない!」

足を踏みつけている側はほんとに本気で自分のやらかしていることに気づかない。

はたからみてどんなにヤバい要求でも加害者本人の中では「当然の権利」になる。マリーアントワネットだって暴動が起こる前は豪華な馬車の中から見下ろす汚らしい庶民なんて目にも入っていなかったわけで。

 

そうなると弱者の自衛手段は暴力しかなくなるのも必然よな。だって穏便で正しい手段は全て強者が捻じ曲げてきたのだもの。

正直、安部元総理が殺されて私はすっきりした。竹中や菅の首も落としたらもっとすっきりするだろうし、自民党員や地元の土地持ちや二世経営者たちを並べて端から銃殺していったらさぞ爽快だろう。だけど私が望んでいるのはそんなことなのか。私が気に食わないやつらを全員殺した先に残る世界は私が本当に欲しかったものなのか。

 

今回、犯人の背景に理解を示す人たちがたくさんいる。事件に仮託して自分の置かれた状況を語りだす人もいる(私もそうだ)。それだけ追い詰められた人がたくさんいて、彼らのすぐ隣にいて無邪気に彼らを追い詰め追い立て搾取する上級国民への憎悪を募らせている。

一方、テロに屈してはならない、テロが有効だと思わせてはならない、だから今回の犯人が殺人に至った背景を追求してはならない、という人たちもいる。古今東西、最も問題を解決してきたのは暴力で、最も手っ取り早く圧倒的に有効なのも暴力で、だからこそ暴力は許してはならない。だがそれなら司法も行政も捻じ曲げられ暴力まで取り上げられた弱者はこのまま未来永劫搾り取られ続けるしかないのか。貴族が気まぐれに庶民を殺しても無罪だった中世のまま世界は続くのか。

 

 

 

憎い、殺したい、殺すしかない、という感情は違法薬物のようなものだと思う。一度囚われてしまうと刺激を求める脳が暴走して止められない。実際私も上の文章を書いていて憎悪に呑まれそうになった。書きながら、これはもう一度殺しつくすしかないのではないかと思った。

で、そういう依存状態を断ち切るために必要なのは説得でも傾聴でもなく、運動睡眠野菜350g、言い換えれば、仕事と夢。全ての悩みは規則正しい生活をして適度な運動して三度の飯を食べゆっくり風呂につかり仲間と語り合い明日を夢見て眠りにつけば吹き飛ぶ。逆に、そういうものが無くなって十分な睡眠もとれず劣等感にさいなまれ明日は絶望でしかなく運動する気力もわかないと、思考に呑まれる。

 

 

これは弱者を救えvsテロに屈するな、という対立に持ち込むことが誤りで、弱者を救うことこそがテロに屈しないことと同義になる。で、今の社会は弱者を救えていない。パイは有限でそのパイは既得権益層が独占しているだから奪わなければ殺さなければ殺すことでしか買えることが(ry になるわけだけど、「救う」てのは給料が増えることでも生活保護費が増えることでも年金が増えることでも女をあてがわれることでもなく、ましてや他人の年金を減額したり女性の権利を制限したりして足をひっぱりあって留飲を下げることでもなく、必要なのは明日を信じることができる夢物語。きっと明日もいい一日になる、明日も明後日も笑って過ごせる、愛しい我が子が敬愛する両親がこれから先ずっと幸福である、そう信じられるからこそ運動したり野菜食べたり風呂入ったりぐっすり寝たりする気力が湧いてくる。

結局、公平で緻密なセーフティネットさえあればすべてが解決なのよな。そして現状ではそれが全く感じられない。明日が信じられない。だけど人は不確実な未来を認められるほど強くなくて、セーフティネットが存在するという幻想にしがみついてアーアーキコエナイする。それが誰かの多大な犠牲のもとに成り立つ幻想だということを、自分の首にギロチンが迫るまで認められない。

 

うんやっぱりこれ宗教が必要だわ。

なんか私のやるべき方向がちょっと定まってきた気がする。